日頃から水分補給が健康的・美容的にとって大切であり1日に2リットル飲むことが理想だと聞いたことありますよね?
ところでどうして2リットルなのでしょうか?体の大きさや生活スタイルが違っても、みんな2リットルでいいのかな?と疑問に感じた人はいませんか?
今回はまず体や肌にとって大切な水分の役割をきちんと知って、それから1日2リットルと言われる理由についてお伝えしていきます。
- 体にとって大切な水分の役割
体温調節
新陳代謝
老廃物の排出 - 必要な水分は1日2Lってホント?
- IN(体に取り入れる水分)の内訳
- で、結局1日どれだけ飲めばイイの?
- まとめ
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体にとって大切な水分の役割
1日まったく水分を摂らずに過ごす人はいないでしょう。
いうまでもなく水分は体にとって肌にとって、生きていくうえで本当に大切です。
なんとなくわかっているけど説明するとなると難しい、水分の役割についてまずは簡単にお伝えします。
体温調節
特に真夏になるとカンカン照りの太陽の下にいれば、汗が噴き出してくるでしょう。一方で雪が降るような冬の寒い日に外へ出ると、服をたくさん重ね着して体を小さく縮めても寒いときは体が震えてきませんか?
これはどちらも体温を一定に保つために調節している反応なんです。
スポーツやトレーニング・夏の暑い日は体温が上昇してしまうので、汗をかいて体から外へ熱を逃して体温を下げています。うまく熱を逃がすことができずに、体のなかに熱をこもり続けてしまい体温調整ができなくなった結果が熱中症ですね。
逆に寒い冬は体温が下がるので、体温を上昇させるべく筋肉を動かすために体を震わせることで、常に体温を36℃前後に保っています。
新陳代謝
美容や健康に関するワードとして“新陳代謝”を目にする機会が多いのでなんとなくイメージできると思いますが、きちんと説明できますか?
新陳代謝(しんちんたいしゃ)
・ふるいものが次第に去って、新しいものがこれに代わること。・生物群が栄養物質を摂取し、これを変化して自体を構成し、また活動のエネルギー源とし、不必要な生成物を排出するなど、生物体を構成する物質の変動全般。
広辞苑 第六版 岩波書店より
私たち人間はおよそ60兆個の細胞からできているのですが、そのうち水分が占める割合は60%。
細胞には血液など細胞内の液体をとおして、体の隅々まで酸素や栄養素を運ぶという重要な役割があります。
適切な量の水を飲むことで血の巡りがよくなってよりスムーズに運べるようになり、どんどん細胞が入れ替わっていきます。この流れが新陳代謝です。お肌の場合はターンオーバーともいいますね。
摂取する水分量が少ない場合、血の巡りが悪くなるので血はドロドロになり、細胞の入れ替わりが遅くなるという悪影響……。
というわけで水分をしっかり摂ることが大切なんです。
老廃物の排出
改めて新陳代謝とはふるいものが次第に去って、新しいものと交換することなので、入れ替わるためにまず古いものが去らなければいけません。
水分を取り入れることで、体のなかでは不要になった物質や作られた老廃物の排出を促しています。
水分不足の場合は、腸の動きが弱く溜まってしまい排出されづらくなることから、便秘になりやすいというしくみです。
便秘を改善するために食物繊維が豊富なものを食べることはもちろん有効ですが、水分をしっかり摂るだけでも腸の動きが活発になるのでオススメです。
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必要な水分は1日2Lってホント?
よく健康的にも美容的にも1日に2リットル水分を飲むとイイと聞きますが、一歩踏み込んで2Lの理由について考えていきます。
まずココでは体のなかに取り入れる水分を“IN”、体から外へ出ていく水分を“OUT”とします。
先にOUTから見ていきましょう。
個人差はありますがざっくりと平均的な1日分のOUTについて大きく2つに分類できます。
2 無意識な呼吸(加湿)と皮膚表面からの水分蒸発 約1,000ml
→ OUTトータル 約2,500ml
意識しなくてもただ生きているだけで1.5リットル以上の水分が毎日外へ出ているんです。
2の無意識な呼吸や皮膚表面からの水分蒸発は、いわゆる不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といい、睡眠中に失われる水分もココに含まれます。
これを基本として+αに入浴や汗で水分が外へ出ていくと考えましょう。
夏の暑い日に太陽の下で過ごすだけで1,500ml近く、運動やトレーニングで1,000ml前後の汗をかいていることもあるので、こまめな水分補給が必要です。
ちなみに汗はしょっぱいと言われるとおり、水のほかにナトリウムなどミネラル分も含まれるため、水をしっかり飲んでも脱水症状になることがあります。
汗をかいた後の水分補給は、失ったミネラルをしっかり摂るためにスポーツドリンクなどの経口補水液と飲みましょうと言われるのです。
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IN(体に取り入れる水分)の内訳
おまたせしました(?)次は体のなかに取り入れるINを見ていきましょう。
まずINで大事なポイントは、コップ1杯200mlを○回など意識して摂る水分だけが全てではないということです。
そのほかに2つの方法で知らず知らずのうちに体のなかに水分を取り入れています。
2 栄養素が体内で代謝されてできた水分 約300ml
食物中に含まれる水分
トマト・ナス・キュウリなどの夏野菜や、キャベツ・レタス・ハクサイ・ほうれん草などは水分量が多いイメージがあると思いますが、実際そのとおりで含まれている水分は90%以上となっています。
意外かもしれませんが、ニンジン・ごぼう・かぼちゃなどの根菜類、サツマイモやジャガイモの芋類の水分量も70%以上含まれているんですよ。
特に野菜は多いですが野菜以外にも炊いた白いご飯や魚、揚げ物にも水分は含まれているので、気になる人は調べてみてくださいね。ちなみに卵1個の水分は約40gです。
栄養素が体内で代謝されてできた水分
食物に含まれている水分だけではなく、食物に含まれている栄養素が体のなかで代謝されていく過程でも水分が生まれています。代謝水とも呼ばれて、1日約300mlだそうです。
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で、結局1日どれだけ飲めばイイの?
というわけで、1日に必要な口から飲む水分量について考えてみましょう。理想はINとOUTのバランスが同じくらいになることなので、単純に計算してOUTトータル2,500mlからINの・1と2を引きます。
2,500 – (1,000 + 300) = 1,200ml
最低限1,200ml必要となり、+αで入浴時に出ていく水分平均500ml合わせても1,700ml。
そしてスポーツをしなくても多少汗をかくことや水分不足にならないよう多めに見積もって、だいたい2,000mlとなるのではないでしょうか。強引という言葉は受け付けませんが(笑)、計算しやすくて覚えやすいからイイですよね。
自分に必要な水分量を正確に知りたいという人がいれば、個別でしっかりと調べて計算してくださいね。
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まとめ
今回は生きていくうえで欠かせない水についてお伝えしました。
体にとって肌にとっても大切な水は、体温調節・新陳代謝を促す・老廃物の排出という3つの大きな役割をしています。
1日に体から出ていく水分量(OUT)から体に取り入れる水分量(IN)とのバランスを考えると、口から飲む水分量が2リットルになることがわかったと思います。
自分の生活のなかで1日2リットルの水を分けて無理なく飲んでいきましょう。