脂質(Fat)は、たんぱく質(Protein)・炭水化物(Carbohydrate)と並んでエネルギーをつくる三大栄養素の1つです。
炭水化物とたんぱく質が1g4Kcalに対して、脂質は1g 9Kcaと2倍以上のエネルギーを生むので効率の良いともいえますが、ダイエットにはしばしば敬遠されがち。
でも脂質を極端に減らしてしまうことは、健康的にNGって知っていますか?
今回はダイエットや健康に欠かせない脂質の基本について見ていきましょう。
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脂質は身体で何をしているの?
脂質は二の腕やお腹・太ももに付くぜい肉になってしまう…というイメージが強いかもしれませんが、目に見えない身体の中でいろいろな役割を果たしています。
- 栄養素を体にたくわえて、必要に応じて分解してエネルギーにする
- 体温を維持する
- 細胞膜やホルモンをつくる材料になる
- 脳や内臓を維持する
- 脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を促す
脂質は意識せずとも日々身体に大事な役割を果たしてくれているんだなあ〜という感じですよね。
つまり脂質はダイエットの敵とばかりに極端に制限してしまうと、エネルギーが不足して体力が低下し、ホルモンバランスの乱れにつながるので結果として疲れやすくなります。
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脂質を摂りすぎるとどうなる?
魚の油など良質な油は積極的に摂るべき!と健康や病気に関するニュースでよく聞くのではないでしょうか。
ご飯は少なめ・お肉はしっかり食べて糖質制限は意識しているけど、意外と脂質は全然気にいない人もいるようです。という私自身も一時期低カロリー・高たんぱくばかり着目して、コレステロール値が異常に高くなってしまった経験あり……。
本当にこんな状態でした。
脂質も過剰になると太ってしまうだけではなく、身体のなかでも大きな負荷となってさまざまな悪影響があります。
特に悪玉コレステロールが増えることで血管にとどまりやすくなり、動脈硬化や血管がつまる心筋梗塞・脳梗塞など命に危険が及ぶ可能性も。
血管のイメージです。
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1日の推奨は何グラム?
2020年厚生労働省から発表された「日本人の食事摂取基準」ではたんぱく質13〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%が理想となっています。
日本人女性の平均基礎代謝1,200Kcalと活動量を合わせて、1日に摂取する理想のカロリーは1,600〜2,000Kcal。
仮に1,600Kcalの脂質30%と2,000Kcalの脂質20%、脂質は1gあたり9Kcalなので計算してみましょう。
(1,600Kcal × 30%) ÷ 9Kcal = 53.333…
(2,000Kcal × 20% ) ÷ 9Kcal = 44.444…
というわけで目安として1日40〜50g摂ることが理想となります。
ここ50年近くで食の欧米化にともなってお肉や洋菓子などを食べる機会が増えたことによって、日本人が摂取する脂質が増えているという統計結果も。
ダイエットや健康にかかわらず一度1日にどれくらい脂質を摂っているか計算してみると、予想を超えて過剰摂取しているかもしれません。
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食材に入っている脂質を比較
1日に摂取する脂質の目安が40〜50gといわれても、毎回計ってから食べるわけにもいかないですし困っちゃいますよね。
今回は鶏肉と魚、脂質が多いといわれている食材をざっくりとまとめてみました。
鶏肉
・鶏もも肉
皮付き100g・・14g / 皮なし100g・・4g
・鶏むね肉
皮付き100g・・6g / 皮なし100g・・1.5g
魚
・鮭 1切れ80g ・・3.5g
・サバ 1切れ100g ・・12g
・サンマ 1尾70g・・ 17g
その他、よく見る脂質を含む食材
・全卵 1個・・5g
・アボカド1/2個・・13g
・アーモンド 10個・・5.4g
・クルミ 5個20g・・13g
実際の商品
商品名 | 明治のミルクチョコレート 1枚50g |
カルビーポテトチップス うすしお 1袋60g |
スターバックス 抹茶クリームフラペチーノ Tall |
ヤマザキ 北海道チーズ蒸しケーキ 1個 |
脂質の量 | 17.4g | 21.6g | 12.7g | 12.5g |
写真 |
たくさん入っているから悪いではなく、ちょっと今日は過剰摂取だなと思ったら翌日は少し意識して控えるようにするなど、少し工夫して健康やダイエットにつなげていきましょう。
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まとめ
今回はダイエットの敵と見られがちな脂質についてお伝えしました。
身体の中で重要な役割をもつ脂質は三大栄養素のひとつ。極端に制限しても過剰に摂取しても負荷となり悪影響が出る可能性があるため、1日40〜50gの適切な量を摂ることが大切です。
ダイエットと健康のために日々の食事でちょっと意識をすることから始めましょう。